毎年暑い季節がくると、水温が100℃以上上がってしまってオーバーヒートしてしまった、渋滞で水温がまったく下がらない、エアコンも効かない、というお問い合わせが増えます。
大体の原因は、ラジエータ電動ファンモーターの不良です。
特に多いのが、RX-8の前期モデル。
左右あるファンモーターが不調で回っていても回転不足や、モーターが完全に壊れてファンがまったく動いてないため、ラジエータが冷やされず水温が上昇してしまう感じです。
運転席側RH・助手席側LHのどちらかが壊れやすいことはなく、どちらも同じくらいの割合で壊れますね。
ここ10年くらいの傾向からすると、一番モーター故障が多かった時よりは、徐々に件数が少なくなってる感じはしますが、壊れている車両は毎年いらっしゃいます。
RX-8前期も一番新しくても16年は経ってますから壊れてしまうことは仕方ありません。
(RX-8後期はそれほど壊れるイメージはないかな。)
さて、現在そのRX-8前期用のラジエータ電動ファンモーター(運転席側)がメーカー補修品が生産終了になってしまっており、ファンモーターが壊れると純正パーツでの修理の手がない状況です。
まずは、ここ最近のRX-8前期用ファンモーターのパーツ供給事情を時系列で説明しましょう。
1.数年前に運転席側ファンモーター(品名:ファンドライブRH)が生産終了。助手席側ファンモーター(ファンドライブLH)は生産継続
2.ファンドライブRH単品の代替品として、モーター単品供給から、左右ファンドライブ(モーター)・ファンシュラウド・左右ファンを組み立てた状態のアッセンブリー品(品名:エレクトリックファン 下の画像の状態)の供給に切り替え。この時、それまでのエレクトリックファンの品番が変わり、ファンドライブRHはファンドライブLHと同じモーターに変更されて、結果RHのサイズアップになる。(HIGH側での回転数アップ)
3.上記画像のアッセンブリー品の新型エレクトリックファンが2023年夏~初秋ごろを最後に在庫切れ→そのまま生産終了になる。
4.その後1年ほど経過した現在、生産終了のままパーツ供給がなくなり、ファンドライブRHが壊れると純正補修パーツでの修理の手が無し。
という状況です。
なぜパーツ供給が止まったかの理由はここには書きませんが、いろんな諸事情が重なっているとのことです。
また、然るルートからパーツ供給再開をお願いしまして、パーツ生産再開の方向で動いていただいています。ありがたいことです。
去年エレクトリックファンASSYがなくなった段階では、その後冬になることもあって気温も下がる方向だったので、渋滞でも水温が危機的なところまで上がらずで、とりあえずそのままエレクトリックファンの生産再開になるのを待ってみようという感じでしたが、
生産再開されないまま夏を迎え、いよいよオーバーヒートしてしまうRX-8が増え、うちにもユーザーさんや同業ショップさんなどからお問い合わせが増えました。
このまま、部品が出るまで乗らないでくださいとも言いづらいし、かといってただ待っていても仕方ないので、どのように治せるかリサーチしてみました。
先に結論からいうと、生産終了になっているRX-8ファンドライブRHと、NBロードスターのファンドライブLHが諸々の形状が同じであることが分かりました。
早速NBロードスター用ファンドライブを取り寄せて、RX-8ファンドライブと比べてみました。
各寸法的には、一番肝心なファンシュラウドに取り付け部のねじ穴PCDはピッタリ同じ。
モーター外寸も高さ、ファンの取り付け穴径・ねじピッチなど寸法もまったく同じで、実際にファンを取り付けた時のファンの位置高さも同じでOK。
しいて違いがあるとすれば、RX-8のファン取り付け部にツバがついているくらい。ただ取り付けには関係なさそう。
そして、肝心のモーター回転数もテスト配線を作って測定しました。
ちなみに、RX-8前期のファン制御は、LOW側では、電源+ → ファンドライブLH → ファンドライブRH→ 電源- と二つのモーターを直列つなぎになります。
HIGH側では、ファンドライブRH、LHそれぞれ独立で電源につながります。
RX-8ノーマル LOW側 約1330~1390rpm、HIGH側2070~2100rpm
NBロードスター LOW側 1335rpm、 HIGH側2017rpm
でした。
ちょっとNBロドの方が低い感じですが、これまでRX-8のファンモーターを何回も測定してきた傾向からするとこのくらいは誤差範囲。
LOW側1300rpm以上、HIGH側2000rpm以上回ってれば問題なし・OKです。
ということで、NBロドのファンドライブがボルトオンでRX-8のRHモーターとして使えるという結論です。
ただ一番の違いは、モーターケースのシーリング。
RX-8の方は、モーターケースカシメ部分全体にシーリングしてありますが、NBロドはカプラー廻りのみ。
そして、NBロドの方には水抜きの穴らしきものがあります。
ロードスターには詳しくないのでたぶんですが、NBロドはファンが直角に付きカプラーが上向きになるのでそのようになっているのでしょう。
これならシーリングをRX-8用と同じようにしてあげれば問題なさそう。
ということで、シール剤でこのようにシーリングしてみました。
ちょうどファンモーター不調の修理でご予約いただいて長くお待ちいただいていたユーザーさんに早速取り付けてみました。
取付後は、水温も適温でばっちり安定し、エアコンもよく効くようになりました。
ということで、純正のエレクトリックファンが再生産になるまでは、NB用流用シーリング追加でやっていこうかと思います。
ただし、純正パーツの流用とはいえ、設計の違う車両に取り付けますので、RX-8に使用したときの耐久性に関しては全く確認してませんので、流用する場合は自己責任でお願いします。
今回のユーザーさんにも、流用のリスクを十分に理解していただいたうえで作業しています。
もし、そのようなリスクを取りたくない場合は、マツダがエレクトリックファンASSYを再生産するまでお待ちください。
また、今回ヤフ〇クで売っていたRX-8用純正同等社外品も取り寄せて測定しました。
作り的にはRX-8用というよりもNBロド用に計上がまったく同じで、防水シーリングは一切なし、また、カプラーの差し込みが非常に硬く、差し込みに注意が必要です。
値段が安い分(NBロドの1/3くらい)精度が落ちる感じ。
モーター回転数的には、LOW側1270rpmで、RX-8やNBロド純正よりも60~100rpmほど低く、HIGH側は2080rpmとほぼ同じ。
ただ、LOW側が低くても、直列でつながっているLH側を測ると1000rpmで回っており、ノーマルモーターより50~100rpmくらい回転数が高いので、2個同時に回っている限りは冷却能力的にも問題なさそう。
しかし、モノがモノだけに安いなりのリスクもあるかなと思いますので、コスト重視でない限りは純正品から選んでもらった方が賢明でしょう。
大体の原因は、ラジエータ電動ファンモーターの不良です。
特に多いのが、RX-8の前期モデル。
左右あるファンモーターが不調で回っていても回転不足や、モーターが完全に壊れてファンがまったく動いてないため、ラジエータが冷やされず水温が上昇してしまう感じです。
運転席側RH・助手席側LHのどちらかが壊れやすいことはなく、どちらも同じくらいの割合で壊れますね。
ここ10年くらいの傾向からすると、一番モーター故障が多かった時よりは、徐々に件数が少なくなってる感じはしますが、壊れている車両は毎年いらっしゃいます。
RX-8前期も一番新しくても16年は経ってますから壊れてしまうことは仕方ありません。
(RX-8後期はそれほど壊れるイメージはないかな。)
さて、現在そのRX-8前期用のラジエータ電動ファンモーター(運転席側)がメーカー補修品が生産終了になってしまっており、ファンモーターが壊れると純正パーツでの修理の手がない状況です。
まずは、ここ最近のRX-8前期用ファンモーターのパーツ供給事情を時系列で説明しましょう。
1.数年前に運転席側ファンモーター(品名:ファンドライブRH)が生産終了。助手席側ファンモーター(ファンドライブLH)は生産継続
2.ファンドライブRH単品の代替品として、モーター単品供給から、左右ファンドライブ(モーター)・ファンシュラウド・左右ファンを組み立てた状態のアッセンブリー品(品名:エレクトリックファン 下の画像の状態)の供給に切り替え。この時、それまでのエレクトリックファンの品番が変わり、ファンドライブRHはファンドライブLHと同じモーターに変更されて、結果RHのサイズアップになる。(HIGH側での回転数アップ)
3.上記画像のアッセンブリー品の新型エレクトリックファンが2023年夏~初秋ごろを最後に在庫切れ→そのまま生産終了になる。
4.その後1年ほど経過した現在、生産終了のままパーツ供給がなくなり、ファンドライブRHが壊れると純正補修パーツでの修理の手が無し。
という状況です。
なぜパーツ供給が止まったかの理由はここには書きませんが、いろんな諸事情が重なっているとのことです。
また、然るルートからパーツ供給再開をお願いしまして、パーツ生産再開の方向で動いていただいています。ありがたいことです。
去年エレクトリックファンASSYがなくなった段階では、その後冬になることもあって気温も下がる方向だったので、渋滞でも水温が危機的なところまで上がらずで、とりあえずそのままエレクトリックファンの生産再開になるのを待ってみようという感じでしたが、
生産再開されないまま夏を迎え、いよいよオーバーヒートしてしまうRX-8が増え、うちにもユーザーさんや同業ショップさんなどからお問い合わせが増えました。
このまま、部品が出るまで乗らないでくださいとも言いづらいし、かといってただ待っていても仕方ないので、どのように治せるかリサーチしてみました。
先に結論からいうと、生産終了になっているRX-8ファンドライブRHと、NBロードスターのファンドライブLHが諸々の形状が同じであることが分かりました。
早速NBロードスター用ファンドライブを取り寄せて、RX-8ファンドライブと比べてみました。
各寸法的には、一番肝心なファンシュラウドに取り付け部のねじ穴PCDはピッタリ同じ。
モーター外寸も高さ、ファンの取り付け穴径・ねじピッチなど寸法もまったく同じで、実際にファンを取り付けた時のファンの位置高さも同じでOK。
しいて違いがあるとすれば、RX-8のファン取り付け部にツバがついているくらい。ただ取り付けには関係なさそう。
そして、肝心のモーター回転数もテスト配線を作って測定しました。
ちなみに、RX-8前期のファン制御は、LOW側では、電源+ → ファンドライブLH → ファンドライブRH→ 電源- と二つのモーターを直列つなぎになります。
HIGH側では、ファンドライブRH、LHそれぞれ独立で電源につながります。
RX-8ノーマル LOW側 約1330~1390rpm、HIGH側2070~2100rpm
NBロードスター LOW側 1335rpm、 HIGH側2017rpm
でした。
ちょっとNBロドの方が低い感じですが、これまでRX-8のファンモーターを何回も測定してきた傾向からするとこのくらいは誤差範囲。
LOW側1300rpm以上、HIGH側2000rpm以上回ってれば問題なし・OKです。
ということで、NBロドのファンドライブがボルトオンでRX-8のRHモーターとして使えるという結論です。
ただ一番の違いは、モーターケースのシーリング。
RX-8の方は、モーターケースカシメ部分全体にシーリングしてありますが、NBロドはカプラー廻りのみ。
そして、NBロドの方には水抜きの穴らしきものがあります。
ロードスターには詳しくないのでたぶんですが、NBロドはファンが直角に付きカプラーが上向きになるのでそのようになっているのでしょう。
これならシーリングをRX-8用と同じようにしてあげれば問題なさそう。
ということで、シール剤でこのようにシーリングしてみました。
ちょうどファンモーター不調の修理でご予約いただいて長くお待ちいただいていたユーザーさんに早速取り付けてみました。
取付後は、水温も適温でばっちり安定し、エアコンもよく効くようになりました。
ということで、純正のエレクトリックファンが再生産になるまでは、NB用流用シーリング追加でやっていこうかと思います。
ただし、純正パーツの流用とはいえ、設計の違う車両に取り付けますので、RX-8に使用したときの耐久性に関しては全く確認してませんので、流用する場合は自己責任でお願いします。
今回のユーザーさんにも、流用のリスクを十分に理解していただいたうえで作業しています。
もし、そのようなリスクを取りたくない場合は、マツダがエレクトリックファンASSYを再生産するまでお待ちください。
また、今回ヤフ〇クで売っていたRX-8用純正同等社外品も取り寄せて測定しました。
作り的にはRX-8用というよりもNBロド用に計上がまったく同じで、防水シーリングは一切なし、また、カプラーの差し込みが非常に硬く、差し込みに注意が必要です。
値段が安い分(NBロドの1/3くらい)精度が落ちる感じ。
モーター回転数的には、LOW側1270rpmで、RX-8やNBロド純正よりも60~100rpmほど低く、HIGH側は2080rpmとほぼ同じ。
ただ、LOW側が低くても、直列でつながっているLH側を測ると1000rpmで回っており、ノーマルモーターより50~100rpmくらい回転数が高いので、2個同時に回っている限りは冷却能力的にも問題なさそう。
しかし、モノがモノだけに安いなりのリスクもあるかなと思いますので、コスト重視でない限りは純正品から選んでもらった方が賢明でしょう。