ロータリーエンジン研究所・REAL-TECHのRE的ブログ

茨城県下妻市にあるロータリーエンジン専門店『REAL-TECH』(リアルテック)のロータリーエンジンに特化したRE的ブログです。 RX-7・RX-8など、マツダ・ロータリーエンジン搭載車のメンテナンスやチューニング、セッティングが本業ですが、代表のハマグチは、『ロータリーエンジン研究家』としても活動しており、ロータリーエンジンの過去・現在・未来について日々研究しており、各媒体にRE関連記事の寄稿もしています。 また、RX-7やRX-8のデモカーを用いてロータリーエンジンの高効率の追求も行っており、REのパフォーマンスを高めるためのパーツ・専用オイルなども製作しています。 このブログでは、日々のリアルテックでの作業や、ロータリーエンジンやRX-7・RX-8などのRE車のウンチクも書いてます。

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よく聞かれる おすすめのRTオイル
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エンジンオイル交換時のオイル使用量
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2025年07月

当方でメンテさせていただいているRX-8前期車両は、遠征先のサーキット走行中左コーナーの先でガス欠症状が出たということで、早めのフューエルポンプ交換。
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こういう場合は、ほとんどの場合でフューエルポンプ交換で症状改善します。
もちろんガソリンが半分以上入っている状態でのガス欠症状の場合です。ひどい時は満タン近く入っているのにガス欠症状が出ます。

前期オーナーの中には、「RX-8は数年前にリコールで全車フューエルポンプを交換したのに、フューエルポンプが原因でガス欠出るの?」なんて思う方もいらっしゃるかもしれません。
結論からいうと、ガス欠は出ます!

詳しくは過去に書いたブログをご覧ください。

RX-8 リコールやったけどガス欠症状の修理


今回もフューエルポンプ本体交換と一緒に、ポンプのリングガスケットと、ポンプを締め付けるユニオンナットは新品交換。リテーナーは状態次第。
ガスケットとナットはリコール時にも交換していますが、念のため必ず交換としてます。

リングナットは、整備書に記載のある通りの締め付け角度で取付。
整備書では規定トルクと規定締め付け角度がありますが、リアルテックでは経験的に締め付け角度が優先で、締め付け角度もおおよそ中央値を取る感じです。
もちろん締め付けトルクも管理しています。

ポンプ交換後は、ガソリンを満タン近くまで給油し、走行チェックで何度もストップアンドゴーをくりかえりてしつこく漏れの確認して作業完成です。


そうそう、この作業の直前に偶然にもXの方でフューエルポンプのユニオンナットを外す工具の話題が出ましたのでご紹介。
純正SST(特殊工具)マニアの自分は、もちろん純正SSTのフューエルポンプレンチをもっていますが、実はこれが非常に使いづらい。

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左が純正SST、右がオリジナルボックス社製

指定工具を言えどRX-8専用品というわけではなさそうで、いろいろな形状のリングナットに対応するためにアジャスタブルになっていて、さらに爪をひっかけるタイプなので、回そうとすると外れやすく、また高さもあるので、爪が外れないように上から強く押さえつつ、ちょっとずつ回すというのをうまくやらないと、ボディフレームに当たってボディをめくって傷つけちゃうことがあります。
外すときはまだしも、取り付けるときはフューエルポンプが供回りしないようにポンプも抑えつつなので、もう面倒さ・大変さ絶大です。
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そのため、フューエルポンプ外しにはオリジナルボックスさんが販売しているRX-8専用フューエルポンプレンチ(前期用)を使っています。
これ、最高工具でして、リングナットのリブの部分を挟む形なので回しているときに工具が外れることは皆無で、安定した作業が可能です。
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ただ、こちらはRX-8前期用なので、そのままだとリブ形状の違うRX-8後期では使えませんので、うちでは切り欠きを追加工してRX-8後期対応に改造してあります。
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さて、これが今回外したフューエルポンプです。
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今回外したポンプはリコールで交換するところと再使用するところが非常にわかりやすいですね。
白いところがリコールで交換する部分で、ピンクに変色しているところがリコール交換時に再使用している部分です。
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赤丸のところが運転席側のサブタンクから燃料を吸い込むジェットポンプで、ここがうまく作動してないとコーナリング中に燃料がうまく吸えずにガス欠症状が出ます。
変色具合からわかる通り、リコール作業時にも再使用しています。
そのためリコール作業を行っても古いままなので、サーキットでガス欠症状が出てしまうということです。

久しぶりのブログ投稿です。
日々、作業に・オイル通販出荷作業に・出張にと時間を取られておりまして、多くの皆さまに作業をお待ちいただいている状態が続いております。FCもFDもRX-8も車歴が長くなってきていますので、1台に掛かる作業時間も年々長くなっており、予定通りにすんなり終わることも少なくなっております。
すべてをしっかりトラブルなく仕上げていきたいので、お時間が掛かることご了承ください。

そんな中、ネタはいろいろ持っていますが、まとめて書くとなると時間が掛かってしまうため、なかなかブログにたどり着かず早1年。
ちょくちょくとXの方には投稿しておりますので、そちらも見ていただければと思います。

とだらだらと書いてしまいましたが、
今回は、RX-8の2次エア噴射ポンプ、いわゆる電動エアポンプについて書いてみます。
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ここ最近ちょくちょく遭遇し始めたRX-8の電動エアポンプの故障。
RX-8初期型から22年、最終型でも13年を経過して、いよいよ増えてきた感じがします。

まず、ユーザーさんが最初に故障に気付くのはエンジンチェックランプが点灯するところからだと思います。

エンジンチェックランプが点灯し、診断機でその故障コードを拾うと、P0410(2次エア噴射制御異常)が出ると思います。

これまでからすると、P0410のコードが出たら、大体が2次エアソレノイドバルブの不良で、ソレノイドバルブの交換で完治するのがほとんどでした。しかし、エアポンプが壊れている場合は、ソレノイドバルブを交換してもP0410が出てしまいます。

ひとまずこのような場合は、先にエアポンプのヒューズが切れてないか確認。
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切れていれば、エアポンプ故障です。


それならエアポンプ本体とヒューズを交換すればいいのですが、残念ながらすでにRX-8用のマツダ純正エアポンプは生産終了になってますので、マツダ純正品を取り寄せて修理が出来ません。

そして、このエアポンプが故障していてチェックランプが点灯状態のままだと車検に通りません。


手っ取り早くならば、ヤフオクなどで中古品を買ってくるのも手ですが、
やはりそこは中古品なのですぐに壊れてしまう可能性もゼロではなく、リスクがあります。


ということで、新品で使えるものがないかと探してみました。


RX-8の電動エアポンプは、本体に貼ってあるシールに記載があるようにBOSCH製です。
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さらに本体に繋がる電源カプラーにはメルセデスベンツのエンブレムがあるようにメルセデス・ベンツの広い車種でボッシュ製のエアポンプが使われています。
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RX-8のシール記載の品番らしき番号を手掛かりに調べていくと、社外互換品、共通形状のベンツ用ボッシュ製エアポンプがヒットしました。

ネットでベンツ用ボッシュ製純正OEM品、社外互換品それぞれ購入できたので、取り寄せてRX-8の純正エアポンプと比較・取りつけて作動チェックしてみました。
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社外互換品は、RX-8用として売っているもの、ベンツ用として売っているもので何種類か価格の違うものが売っていて、今回はベンツ用として国内インポーターさんがオリジナルとして売っていて保証もついてるものをチョイス。(安すぎるのはたぶん大陸製で、流通経路を含めちょっと怖いので避けました)

ステッカーに書いてある品番は、RX-8純正とベンツ用は一桁だけ違いです。
RX-8 0 580 000 027
ベンツ 0 580 000 017
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RX-8用とベンツ用ボッシュOEM品は外観や取付部の形状などは一緒で、
社外互換品のみ刻印がどれもなく、またエア吸入口の位置(向き)が若干違っています。
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吸入位置の違いで作動や取付に特に問題はありません。

実際に車両に取りつけて、シミュレータでエアポンプを作動させて排気温度と空燃比(ラムダ)がどのように変化するか見てみると、
純正品、ベンツ用ボッシュ製OEM品、社外互換品、すべて同じような数値になるので、作動に問題はありません。

水温が上がっている状態なので、本来エアポンプ作動時よりもオンとオフで排気温度差の違いがほとんどありませんが、ラムダ(ラムダ1=A/F14.7)の数値が大きくリーン状態になっているのが分かると思います。

エアポンプオフの状態
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エアポンプオン
純正エアポンプ↓
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ボッシュOEM品↓
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社外互換品↓
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ただ、社外互換品に関しては、
・モーターの音が若干大きい
・作動後モーター部分の温度がかなり高い
・電源カプラー部の隙間からエア漏れする
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というのがありました。

ひとまず、うちのエイトに社外互換品を取り付けたままにして当分の間使い続けてみてみます。


価格的には、ボッシュ製OEM品は5~7万くらい、社外互換品は1.5万~3.6万円くらい(今回の社外互換品は3.6万円のもの))

個人的には、安心なのはやはりベンツ用ボッシュ製OEM品です。
社外互換品は特に耐久性がどうなるか分かりません。

ボッシュ製OEM品の箱に書いてあるステッカーを載せておきます。
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ここからは推測ですが、
ベンツ用のボッシュ製純正OEM品は売っているのに、マツダ純正品は生産終了になっているとなると、ボッシュでも現在このタイプのエアポンプは生産しておらず在庫品限りになっているなのか、
シール記載の品番が違うように、厳密にはRX-8用とベンツ用とで何か中身・スペックが違っているのかな、なんて考えてます。

現状で壊れしまって困っているという方は参考にしていただければと思いますが、
他車種用の流用取付になるので、使ってみて何かトラブルになる可能性はゼロではないと思いますので、すべて自己責任の中で行ってください。

また、一番安いのはどこのどれを買ったらいいですか?みたいなご質問はお答えしません。
品番まで載せましたからあとはご自分で調べてご自身の中で一番良い解決策を選んでください。



最後に、メカニズム的なことを書けば、
RX-8のエアポンプは、RX-7までのRE車と違い、エアポンプの作動条件は冷間始動から約1分以内での作動になります。冷間始動時でも動かない時もあります。
そして、エンジンが暖まってしまえばエアポンプは作動していません。

これの裏を返して考えてみてみれば、わかることがありますよね笑
(この意味についてもご質問には答えません)

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