ロータリーエンジン研究所・REAL-TECHのRE的ブログ

茨城県下妻市にあるロータリーエンジン専門店『REAL-TECH』(リアルテック)のロータリーエンジンに特化したRE的ブログです。 RX-7・RX-8など、マツダ・ロータリーエンジン搭載車のメンテナンスやチューニング、セッティングが本業ですが、代表のハマグチは、『ロータリーエンジン研究家』としても活動しており、ロータリーエンジンの過去・現在・未来について日々研究しており、各媒体にRE関連記事の寄稿もしています。 また、RX-7やRX-8のデモカーを用いてロータリーエンジンの高効率の追求も行っており、REのパフォーマンスを高めるためのパーツ・専用オイルなども製作しています。 このブログでは、日々のリアルテックでの作業や、ロータリーエンジンやRX-7・RX-8などのRE車のウンチクも書いてます。

RTオイルをご検討の方はこちらをお読みください

よく聞かれる おすすめのRTオイル
http://realtech.livedoor.blog/archives/6537489.html

エンジンオイル交換時のオイル使用量
http://realtech.livedoor.blog/archives/16377797.html

2022年10月

気温も下がってきて、サーキット冬眠(夏眠?)から目覚めてサーキットを走り始める方も増えてきております。

と同時に、サーキットを一生懸命走るとまあまあ壊れやすいハブベアリングも、この季節から徐々に増えます。

近年のタイヤのグリップ力を考えれば、ハブベアリングが消耗品なのは仕方ありません。
また、セッティングでハイキャンバー・ハイキャスターにしていれば、その分痛みやすいです。

今日も、RX-8後期のフロントハブがサーキット走行後にゴリゴリし始めたとのことで、クイック交換。
20221021_164757
20221021_164425

リアルテックでは、前期・後期それぞれ1台分のフロント・リアハブベアリングを常時在庫しておりますので、フロントならオイル交換並みの時間で作業完了です。

ちなみに、フロントハブは、壊れる時はガタが出始めてから壊れるというよりは、
いきなりドカンと壊れることが多く、予見ができないんですよね。
その時は突然やってきます!苦笑

片側4万円位するので、定期的に交換もちょっとコストが高いかなと思います。
ハブベアリングへの負荷も、タイヤやアライメントだけでなく、ドライバーの乗り方やクルマの仕様でも変わるのでこのくらいのサイクルで交換しましょうねとも言いづらいです。

なので、サーキットでタイヤ交換する人も多いと思いますので、ジャッキアップ状態でタイヤを手でドンドンとたたいたり、空回ししてその回転の重さの具合を普段から覚えておいて、いつもと音が違ったり、回りが重かったりしたら、交換しちゃうのもよいかもしれませんね。
(特に遠征前)

リアハブに関しても上記のように叩いてゴトゴトしないか見る以外に、
センターナットが緩みやすいので(特に左)、ナットの回り止めのカシメがずれてないか定期的にみておくと、ハブのトドメが刺さる前に対処できると思います。

まあ、交換してなくて不安だということであれば、いっそのこと4輪全交換しちゃえば、回転がなめらかになって加速や最高速が上がるかもしれませんよ。

RX-8のエンジンOHが完成し、今やってるFDのエンジンOHはパーツ待ち中なので、
いよいよタイムアタックユーザーたちのセッティング作業に着手しました。

今シーズンは、うちのRX-8筑波サーキットトップアタッカー(分切り狙いが2台、ノーマルエンジンで0秒目標が1台)の3台がこぞってLSDをアップデート。

デモカーと同じ仕様のATSのカーボンハイブリッドLSDを投入しました。
20221011_170901
その3台分のLSD交換を今週1週間ですべてやりました。
さすがに週3機組み込みは新記録。
作業効率的には非常にいい感じです。
20221011_191204
20221012_101208

LSD取り付けの際に必須なバックラッシュ調整は、RX-8やFDの場合、アジャストシムの厚さを替えて行います。
20221011_205158
アジャストシムは0.05mmずつ厚さの違う全種類をそれぞれ2枚ずつ在庫してますが、
こうも同じメーカーのLSDを連発で付けてたら、1機目・2機目で同じサイズのシムを1枚ずつ使ってしまい、1サイズの在庫がなくなってしまいました。
1機目を調整した段階で使ったシムをマツダパーツにオーダーしたんですが、運悪く在庫無しで3機目の調整に間に合わず。
調整時にまたこのサイズのシムサイズに当ったら作業途中ストップになるはめでしたが、
運よく隣のサイズがジャストフィットだったのでセーフ!
3機目も無事に調整・取付完了!
20221013_195503
ちなみに、この前期のデフケースと最初の画像の後期デフケースとで内部形状が若干違います。
画像にチラッと写ってますが分かりますか?

これで3台とも今シーズンさらにアクセルをガバッと踏んで行けることでしょう!

久しぶりのブログ更新になります。汗
9月も一瞬で過ぎ去りまして、気がついたらもう10月。

作業がいっぱいでたくさんの方に作業をお持ちいただいております。
予約いただいたみなさんの作業は、漏らさず・忘れずしっかり入っております。
順番にやっておりますので、すみませんがもうしばらくお待ちください。


さて、9月は週末に当日メンテ作業、平日はお預かり車の作業で、車検も多かったですが、それ以外はずっとエンジン作業を進めてました。

1型FDの方は現在部品待ちで作業がストップしてしまったので、RX-8サイドポートエンジンの方を一気に進めて、9月中にエンジン始動完了!

20220915_152821
このローターハウジングの中からローターの幅に合うハウジングをチョイス。

20220915_161109
オーバーヒートしてたので、全てのハウジングを新品使用。
現在サイドハウジングは長期欠品中なので、失敗できない…

20220916_160015
ポート加工前に全ハウジングとインマニを仮組みして罫書きます。


20220925_193158
今回も失敗せずにサイドポート拡大加工出来ました。

20220919_180818
ローターメタルクリアランス調整に、
20220919_202544
メインメタルのクリアランス調整。
2点測定・3点測定ともに気に入った数値になるようにあわせるのには結構な労力と根気が必要です笑

20220920_114946
今回から初導入の、定圧測定デジタルマイクロメーター!
コーナーシール外径測定にのみ使用するのにはかなり高額な測定器でしたが、これもこだわりなので笑
一定に安定して素早く測れる様になりました。最高!

20220920_193354
調整したガスシール(アペックスシール・コーナーシール・サイドシール)は全てシール溝位置をマーキングして専用ケースに収納してます。
ちなみに、シールやハウジング、メタルなどのクリアランス調整時は、ずっと室温を20℃にして行っているので、作業中は長袖、インナーにヒートテック着用です。

20220928_100145
シール類・スプリング類は全て新品交換。

20220928_114858
この状態からちゃんとパワーが出ますようにとお祈りしながらリアサイドハウジングを載せます。

20220927_171840
エキセン内に入るサーモペレットは、整備書どおりに点検するとロッドの伸びる長さは基準値以上に伸びるので問題なしの場合が多いです。
がしかし、新品と並べて温めるとロッドの伸びる速さ・レスポンスがぜんぜん違うので、うちでは必ず新品交換します。
こいつの作動で油圧が変わります。

20220928_151135
20220928_153342
自分が作ったエンジンの印は、このオレンジマーキング。
20年変わらない印です。

20220930_113227
リアルテックの美しすぎるエキマニも取付。これが在庫ラスト。
次の製作時期は未定です。

20221002_173208
エンジン載せる前にエンジンルーム内を洗浄して、手の入るところはコーティングも掛けました。

ここからアイドリングで初期慣らししながら、オイル漏れ・水漏れなど不具合がでないか確認していきます。

そして、問題なければ、タワーバー取り付け・配線まとめたりなど細かいところの仕上げと車検を通せば完成です。

↑このページのトップヘ