ロータリーエンジン研究所・REAL-TECHのRE的ブログ

茨城県下妻市にあるロータリーエンジン専門店『REAL-TECH』(リアルテック)のロータリーエンジンに特化したRE的ブログです。 RX-7・RX-8など、マツダ・ロータリーエンジン搭載車のメンテナンスやチューニング、セッティングが本業ですが、代表のハマグチは、『ロータリーエンジン研究家』としても活動しており、ロータリーエンジンの過去・現在・未来について日々研究しており、各媒体にRE関連記事の寄稿もしています。 また、RX-7やRX-8のデモカーを用いてロータリーエンジンの高効率の追求も行っており、REのパフォーマンスを高めるためのパーツ・専用オイルなども製作しています。 このブログでは、日々のリアルテックでの作業や、ロータリーエンジンやRX-7・RX-8などのRE車のウンチクも書いてます。

RTオイルをご検討の方はこちらをお読みください

よく聞かれる おすすめのRTオイル
http://realtech.livedoor.blog/archives/6537489.html

エンジンオイル交換時のオイル使用量
http://realtech.livedoor.blog/archives/16377797.html

2021年10月

前にも書いたかも知れませんが、ここ最近多い事例なので啓蒙も兼ねてまた書きます。


リアルテックでは、熱心にサーキットを走るRX-8のメンテナンスを数多く行なっておりますが、
サーキット走行の数が多い車両でここ何年かで頻発しているのが、

ノーマルスパークプラグ(リーディング側)の外側電極飛び。
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画像の赤丸のようにリーディング側の外側電極が取れてます。
非常に小さい欠片なので、飛んでいってもエンジンが壊れるや、圧縮圧力が下がるということは幸いなことに今のところありません。

正常なもの右 と 外側電極飛んでるもの 左 の比較
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ウチの場合は、使い方などいろいろなことを考慮して、サーキットでもノーマルプラグを使うことがほとんどです。
昔はノーマルプラグでサーキットを走りまくってもこんなことはまったくなかったんですが、令和になってからこの事例が多くなっているように感じます。
外側電極が飛んじゃうと、中心電極との火花ギャップが広くなってしまうので、失火の原因になってしまいます。
失火すると、パワーが出なくなるわ、最悪エンジン破損にも繋がりかねません。

ただ厄介なことに、オーナーさん全員、プラグがこうなっててもまったく気付きません。
すべてが点検かプラグ交換の際に発見する感じです。

ただ、数多くのRX-8を診ている自分からすると、微妙にアイドリングがおかしいし、点火のテスターを当てると、微妙に2次電圧が正常と違いますので、『ちょっとこのプラグ、怪しいな』とは感じます。

以前は、サーキット走る頻度が多い場合は、1万kmくらいでプラグを交換してくださいといってました。
しかし、こうも電極飛び連発すると、そうも言っていられません。

スパークプラグの使用距離は関係なく、サーキットを年間10回以上走る人、かつ一回サーキットに行くと、合計1時間くらいは走っちゃうって人は、年1回は交換したほうがいいかもしれません。
しかし、データ数が揃ってないので、この目安もウチ的に暫定です。

なので、ここで絶対にタイムを出したいという時の前には交換、もしくは外して外側電極の有無・ギャップの広さの点検を強くお勧めします。
外側電極飛びは外れかかっているプラグを見た感じだと、内側(中心電極側)からめくれるように外れるのでギャップが広がっているイコール外側電極が外れかかっているとみていいと思います。


ちなみに、RX-8のノーマルスパークプラグは十字スリットがある以外、レーシングプラグと同じ外側電極形状です。
最初はノーマル・レーシング同形状だし、ノーマルにしても7番でも8番でも電極飛ぶのは変わらないから、レーシングプラグを使っても電極飛びの面では対策にならないかなと思ったんですが、
改めてふたつをよく見比べてみると、

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アップで見るとよく分かると思いますが、レーシングプラグのほうが強固に外側電極が取り付けられています。
これならば、外側電極飛びには強いと思います。

もし、外側電極飛びが絶対に嫌だって人は、レーシングプラグを選択してください。

ただし、レーシングプラグは熱価が9番と10番しかなく(ノーマルは6~8番)、
ストリートでは、高熱価と十字スリットがない分、くすぶりやすくカーボンもたまりやすいので、そのあたりも考慮して自分の使い方にあったプラグを選択をしてください。

お預かりのRX-8はパワステの修理。

RX-8前期でよくある冷間始動直後のステアリング回すとガクガクする症状です。
程度が軽いと数秒で直りますが、程度が重いと数分間はガクガクが収まらず、運転すると危ないですね。

パワステトラブルの症状は色々有り原因もそれぞれありますが、
この冷間ガクガク症状は、ほぼパワステギアボックス本体が原因なので、パワステギアボックス交換するしかありません。

と言うことで、今回は新品ギアボックス交換しました。
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以前のパワステギアボックス交換では、程度の良い中古を探して交換してましたが、
ここ数年は、中古自体が高い、さらに出てくるのは10万kmを軽く超えているものばかりと、
交換してもその後の耐久性に不安があるので、新品交換でスッキリ直すのが一番良いと思います。

交換後は、もちろんガクガク症状も治まり、快適安全なステアリングフィーリングになりました。

そういえば、このガクガク症状出てる後期車両って、うちでは見たことないな。

品番から追いかけてみると、前期2007年式の中盤から後期の最後まで品番が一緒だから、
ここら辺で対策されているかもしれませんね。

オイルパンを潰したRX-8後期のオイルパン交換の続き。

先日きれいに古いシール剤をはがして面を整えたオイルパンブロックにシール剤を塗って新しいオイルパンプレートを貼り付け…、

とその前に、
盛大にオイル漏れしているので、そのオイル汚れを洗浄して、オイル漏れ原因を特定してそこも直します。

まあ漏れている場所は簡単でオイルフィラーパイプの付け根から漏れてたんですが、
普通にここのガスケットが痛んできてもこんなに漏れるはずもないので、洗浄ついでに分解してガスケットの具合をみてみることに。

エアクリ~スロットルボディ~サージタンクと外していき、フィラーパイプを外そうとしたら原因が分かりました。
フィラーパイプの取り付けナット2個とも緩んでました...。
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それが原因で繋ぎ目からオイルが漏れていたようです。
前に何かの作業でここを脱着した誰かが締め忘れたんでしょうね。
結局、よく有るヒューマンエラーでした。

でちょっとウンチクタイム!
RX-8後期は、RX-8前期までのロータリーエンジンと違い、エンジンが動いている状態では常にオイルフィラーパイプにオイルが流れてます。(ブローバイガスとはちがいます)
厳密に言えば、オイルを入れるフィラーキャップの直下からオイルパンにオイルが流れて落ちてきてます。

なんでオイルが上から流れてくるの?と思うかもしれません。

RX-8後期の場合、エンジン内にオイルを供給するメータリングオイルポンプが電磁式になり、それまでのメタポンとは根本的にオイルの流れが変わりました。

オイルポンプからノズルを経由してエンジン内にオイルを供給しますが、ポンプのところで余ったオイルをオイルフィラーパイプの上部に戻しています。(画像の指差し部分)
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なので、エンジンが掛かっている最中は常にここからオイルパンにオイルが流れ落ちますので、普通に走っていても上記のようにオイルフィラーパイプに継ぎ目からオイルが漏れていたわけです。
(ただし前期まででもサーキットなどで横Gを強く長くかけるとエンジンオイルがオイルパンからパイプ側にせりあがってきますので、もし上記の部分が緩んでたらそりゃオイルは漏れますけどね。)

後期はエンジンかけてる最中にオイルフィラーキャップを外して中を覗きこんでみるとオイルが流れているのが見えますよ!

以上、ウンチク終り。


と言うわけで、オイル漏れの原因も直して、オイル汚れも徹底的に洗浄したので、最後にオイルパンプレートを貼り付けて、今回の修理は完了です。
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前のブログに書いた、 


であるような社外オイルドレンボルトを使って、実際に底を打ってドレンを引っ掛けて曲がってしまった車両のオイルパン交換修理。

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この車両は曲がっているだけでもげずにすみましたが、みなさんくれぐれもドレンボルトは純正を使ってくださいね。

さらに、今回はエンジン周辺のオイル漏れ・汚れが甚大で、オイル漏れ箇所を特定してそちらも同時に修理します。

まずは古いオイルを出来る限り抜ききって、オイルパン剥がし。
後期は板だけなので剥がす作業が楽なのが、この作業の唯一の幸い笑

オイルパンを外した後は、接合面のシール剤をスクレーパーやブラシ、スポンジを使って微塵も残さず除去して、ネジ山にタップをたててネジ穴のシール剤も完全に除去します。
最後の仕上げに砥石をかけて面を整えて完了。
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あとは、オイルパン内部のオイルが付いているところを洗えるだけ洗って、今日はこの状態で放置して垂れてくる余分なオイルを落としきります。
取り付けでシール剤を塗っている時に、そこにオイルが付くと、あとでその部分からオイル漏れしてしまいますからね。出来る限りオイルを落とします。

丁寧にやってたんで、なんだかんだかなりの時間が掛かってしまった。

ここ2週間、サーキット派RX-8のハブベアリング破損が連発してます。
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サーキットで壊れて緊急入庫の場合もあったり、他の作業中に気付いたり、リアルチェックで見つけたりと状況はさまざま。西の方は分かりませんが、関東だと前後ともに左側がダメになるのが多いですね。

特に今回の連発には意味があるわけでなくたまたまでしょうが、サーキットシーズン到来を感じます苦笑
冬到来前のこのタイミングで壊れるのは、ある意味ラッキーでしょうかね。

しかし、前期後期のフロント、共通のリアともに常に在庫してますが、あまりの連発で今回ばかりは在庫切れました…。
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年々タイヤのグリップレベルが上がり、駆動系の負担が増えてますし、サーキット用にハイキャンバーにしている車両は注意が必要です。

サーキット走行が多い方はタイヤ交換回数も多いと思いますので、ジャッキアップしたついでにタイヤを揺すってガタがないか日常的に点検してもらうのがいいと思います。

あ、ハブベアリングはサーキットをゴリゴリに走らないと壊れませんので、街乗りだけの人はどっかに乗り上げたりなど事故しない限りはあんまり気にしなくて大丈夫です。

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