ロータリーエンジン研究所・REAL-TECHのRE的ブログ

茨城県下妻市にあるロータリーエンジン専門店『REAL-TECH』(リアルテック)のロータリーエンジンに特化したRE的ブログです。 RX-7・RX-8など、マツダ・ロータリーエンジン搭載車のメンテナンスやチューニング、セッティングが本業ですが、代表のハマグチは、『ロータリーエンジン研究家』としても活動しており、ロータリーエンジンの過去・現在・未来について日々研究しており、各媒体にRE関連記事の寄稿もしています。 また、RX-7やRX-8のデモカーを用いてロータリーエンジンの高効率の追求も行っており、REのパフォーマンスを高めるためのパーツ・専用オイルなども製作しています。 このブログでは、日々のリアルテックでの作業や、ロータリーエンジンやRX-7・RX-8などのRE車のウンチクも書いてます。

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エンジンオイル交換時のオイル使用量
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カテゴリ: トラブルシューティング

エンジン掛からなかったRX-8、修理の際にシートに座ったら、お尻がビショ濡れ…。

なんじゃこりゃ!と思ったら、雨漏りしてて、雨水がビニールのシートカバーの上に溜まってました…。
ビニールカバーを使っててよかった!

みてみると運転席上のルーフトリムに染みが有りました。
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さらにAピラートリムを外したら内側のリブに水が溜まってましたが、下までは滲みてなかったのでこのタイミングで見つかってよかった。Aピラーの下は配線とかアースとかいっぱいあるので、腐食したら大変ですからね。
まあ、パンツはビッチョビチョになったけど…。

さて、雨はどこから漏れてきたのかというと、ルーフパネルとピラーパネルの合わせ部分のシール剤が割れてそこから雨水が浸入してきてました。
リアウィンドウに近い後ろ側が漏れてCピラーを伝ってリアシート下に水が溜まるってのはよくありますが、フロント側は初めて。

早速、ルーフモールをはずして、シール剤にクラックが入っているところを中心に全体を埋めなおしました。
作業中、シトシトと雨が降ってきちゃったので、乾くまでマスキングテープで雨よけ。
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シール剤が乾いた後は水をジャージャー掛けたり雨にも当てましたが、漏れてる様子も無くなりました。

先週末、不動のためお預かりしたRX-8もやっと手をつけることができて、修理開始。

症状的には、セルは回るけど、まったくエンジンが始動しません。初爆もなし。
点火系、センサー系は前に替えてからたいして時間が経ってないし、セルを回した感じもエンジン本体が原因ではないです。
エラーのログをみても何も残ってません。

ってことで、最初に燃料系を疑って、イグニッションオンにしてヒューズボックスにあるチェックコネクターを短絡して、フューエルポンプを強制的に動かしてみます。
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はい、フューエルポンプ動かない~。

じゃあ、フューエルポンプ本体が原因か!って思いがちですが、エイト前期はフューエルポンプにリコールが掛かったので、どれもそれなりに新しいものが付いているはず。
もちろん、この車両もそうでした。
そうなるともポンプが原因って考えづらいですよね。

でも、見ないでそう決め付けちゃいけません。必ず確認します。
手元にあるデモカー外しの良品ポンプ持ってきて車体側のポンプカプラーだけを繋いで電源オンしてみましたが、やはりポンプは動きません。
(動かなかったからいいけど、良い子はポンプを空回ししちゃいけませんよ!笑)
これで、フューエルポンプの線は消えました。

次は、配線図を参考に、簡単に換えられるところから替えてテストします。
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ウチの18万キロデモカーを後ろに並べて、リレー、レジスターリレー、コンピュータ本体、コンデンサーを剥ぎ取って交換してみましたが、どれをやってもまったくポンプは動かず。
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これで残すは車体ハーネスになるんですが、普通エイトならハーネスが途中でどうのこうのなってるって考えづらいんだよな~、なんて思いながら、まずフューエルポンプ・カプラーのアース線とボディとをテスターであたってみたら…、
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まったく導通ないし!!


そして、内装を剥ぐって、Cピラー下のフューエルポンプのアースポイントをみてみると...、
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なんかアース線をバイパスさせてるよ…。

バイパスを外して、純正通りの繋ぎ方に戻して、セルを回したら、
一発でエンジン掛かった!


このバイパス線、辿っていくと後付けセキュリティの線でした。
簡単に言うとセキュリティがぶっ壊れて、オンの時だけ断線するはずが、オフでも断線したままになっちゃってたってことでした。

原因が簡単に見つかって、よかったよかった。
これまでの経験上、不可解な現象はだいたい後付けの物や作業が原因となる場合が多いです。

温間時にエンストすると、エンジン再始動が困難で、10分くらいそのままにすると何とか始動可能になる というトラブルの点検と修理。
入庫時はエンジンチェックランプが消えてましたが、履歴をみたら、空燃比リッチのエラーも入ってました。
エンジン掛かっているときもレーシングしてアイドル付近に戻ってきた時の安定感がピシッと来ず良くない感じ。

まずは最初は一番要、エンジンコンプレッションの測定。
全室850kpaほど有り、まったく問題なし。どころか、8万kmオーバーなら高いほうでしょ。
RT-01入れてもらっているからね。

エンジン本体が原因ではなくなったので、順番ずつ点検していきます。
点火系はすべて問題なし。スパークのばらつきもなし。
エラーが出てたフロントO2センサー(A/Fセンサー)を交換。距離も8万kmオーバーですしね。
しかし、交換しても症状はあんまり変わらず。
エアフロも汚れてたんで洗浄してみたけど、症状改善せず。
念のため、さらに新品エアフロも付けてみたけど変わらずでした。


さて次どうするかってとこで、スロットルボディ内周をきれいに拭いてみました。

そしたら…、エンストしなくなったけど、逆に回転落ちなくなった!
スロットル電圧みても、アイドリングでのミニマム電圧の0.62Vまで落ちてるのに回転は1000回転くらいでいっこうに800回転まで落ちてきません。

よしよし、良くも悪くも変化が出たってことで、スロットルボディを手持ちの良品に交換してみたら…、
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エンジン回転のドロップやエンストなし、温間始動も常にOK、アイドリング戻り方にも安定感も出ました。
電気負荷入れてもアイドルアップも戻りもきれいに動くようになりました。

スロットル電圧もエンジン回転830rpmくらいで、ミニマムより良い高い0.64Vなので数値的にもOKですね。
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コンピュータの学習をさせ、ついでに裏技?のクランクアングルセンサーのリセット(これは日本モデルで効果あるか分からないけどおまじない程度笑)もして、
走行チェックでまあまあ距離を乗りましたが、症状は再発しませんでした。

ってことで、スロットルボディ(内部のポジションセンサーなのかな)でビンゴ。

こんな調子の悪くなり方もあるんだね。

昨日のことですが、FDの純正キーレスが動かなくなったので、点検入庫。 
オーナーさん自ら電池を替えたけど、改善しないので見てくれってなりました。

まずは、リモコンを開けて、電池が正しく装着されているか確認、OK。
(たまにあるんです、ボタン電池が逆さまってことが)

で、車体側の確認です。
純正なんで、変な取り付け方してないだろうと思っても、ドアトリムはちゃんと外して各部装着具合の確認、OK。

さあ見た目では何もないぞって事で、次はどうしようか。
ドアトリムを外したので、試しにドアに付けてあるコントロールユニットにトランスミッター(リモコン)を再登録を試みるも、登録モードには入りますがトランスミッター登録が何回やっても出来ない。


その登録モードの時に、コントロールユニットとドアロックアクチュエータは動いているので、そのふたつとドアロックリレーは問題なさそう。

ってことは、トランスミッターが元凶っぽい。


と、ここでデモカー用に取っておいている新品キーレスエントリーセットの箱をあけ、中のトランスミッター(リモコン)を出して、車両のコントロールユニットに登録してみたら…、

ビンゴ!!!

バッチリ登録できて、ドアロックの解除・施錠の動作もOKになりました!

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その後、マツダパーツに在庫と値段聞いたら、まだ単品新品があるみたいなので、そのままそのトランスミッターをお買い上げいただきました。
デモカー用コレクションがあったからこそ、早急なトラブル解決に繋がりました。

これぞ専門店で純正パーツコレクターの強みです笑


でも、トランスミッターだけで税込7000円オーバーとは…。

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