ロータリーエンジン研究所・REAL-TECHのRE的ブログ

茨城県下妻市にあるロータリーエンジン専門店『REAL-TECH』(リアルテック)のロータリーエンジンに特化したRE的ブログです。 RX-7・RX-8など、マツダ・ロータリーエンジン搭載車のメンテナンスやチューニング、セッティングが本業ですが、代表のハマグチは、『ロータリーエンジン研究家』としても活動しており、ロータリーエンジンの過去・現在・未来について日々研究しており、各媒体にRE関連記事の寄稿もしています。 また、RX-7やRX-8のデモカーを用いてロータリーエンジンの高効率の追求も行っており、REのパフォーマンスを高めるためのパーツ・専用オイルなども製作しています。 このブログでは、日々のリアルテックでの作業や、ロータリーエンジンやRX-7・RX-8などのRE車のウンチクも書いてます。

RTオイルをご検討の方はこちらをお読みください

よく聞かれる おすすめのRTオイル
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エンジンオイル交換時のオイル使用量
http://realtech.livedoor.blog/archives/16377797.html

カテゴリ: RX-8関連

新年度になり、作業フィーバーもちょっと落ち着いてきたので、お待たせしているRX-8のエンジンOHを開始しました。

早速エンジン下ろそうか…、
と、分解する前に、診断機のテストモードでセンサー類の出力数値やスイッチ類が動いているかモニタリング。
センサーなどが異常な出力してないか、作動は正常か確認します。
分解したらもちろん、すべてのセンサー・アクチュエータ単体を整備書に従って点検しますが、単品で点検できないパーツもあるので、分解前の良否判定は大事な作業です。

その後エンジンを下して、
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補機類まで分解。

そして、エンジン本体を分解して、各パーツの洗浄となりますが、

とその前に、

届いてから一か月以上開封してない新しく購入したパーツ洗浄台を今回から使いたいので、
お次は、洗い場の掃除と片付け、新パーツ洗浄台の設置です。
新しいパーツ洗浄台で各パーツをきれいに洗ってきたいと思います。

ブログはだいぶ間が空いてしまっておりますが、その間も作業を進めております。
オイル通販もいっぱいオーダーいただいており、毎日があっという間です。

お預かりしていたRX-8は、当店に初めてのご来店。
ノーマル足から、マツダスピードのダンパー・スプリング交換・アライメント調整というメニューです。
ダンパーのマウント類・ゴムブッシュ類もできる限り新品です。
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フロントのアッパーマウントシートのみ生産終了でした。

リアルテックで初めてアライメント調整など足回りの作業をするときにまず真っ先に確認することは、
フロント・ロアアーム
リア・ロアラテラルリンク、
トーコンリンク
のアジャストカムボルトがブッシュ内のカラーと錆で固着してないか、
ナットを緩めてボルトを左右に動かして回してみること。
これを一番最初に行います。
固着してると、アライメント調整ができませんからね。

RX-8は、デビューから今年で20年。そして、2012年生産終了から11年です。
どんな車両も10歳以上、一番年上はそろそろ二十歳。
その間、いろいろな状況や場所で使われてきたと思いますので、外装がきれいでもリフトアップして下回りを覗いてみたら錆びだらけなんてこともよくあります。

下回り・足回りは、雨水・泥跳ね・湿気、海の沿岸は潮風、冬季は塩カルなどを長期間浴びてますので、大なり小なり錆びてること自体はさほど珍しくありません。

今回のRX-8は17万km走行車で、今まで一度もアライメント調整した形跡がないので(ある意味すごい!)、案の定フロント・ロアアームの左側ボルトが固着してました。

さらに、スタビリンク全部と、左側タイロッドの調整部のロックナットも固着してました。

今回はボルトをバーナーで炙って、潤滑剤を吹き付けて、ロングスパナで左右にグリグリ力を掛ける。こんなことを何回も繰り返してようやく緩みました。
(最悪はブッシュとボルトごとセーバーソーで切り取りなのですが、そこまでせずに済みました。)
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ただ無理くり回すため、その際ブッシュが一緒に動いてちぎれちゃうのでブッシュ交換が必須なことも多いです。

今回はユーザーさんのご意向もあり、全アーム交換になりました。
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RX-8のアームブッシュは、フロントロアアームのみブッシュ単品設定があり打ち替えができますが、今回そのロアアームも交換するにはこの車両についていたアームに理由があります。

前期の初期はメーカーリコールがかかり、左右アームを対策品に交換してますが、
この対策とは、ナックル側のボールジョイントのサイズを一回り大きくしてボールジョイント脱落対策したのはご存じのとおり。
しかし、リコール対象外でも前期の半ばくらいまでは、ボールジョイント部がリコール対象アームと同じ小さいタイプが装着されています。(前期の後半から後期全車は新車から対策品です)
今回のRX-8は、まさに小タイプでした。
なので、距離も距離だし今後のことも鑑みてロアアームも交換となりました。
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ロアアームの簡単な見分け方は、アームの真ん中くらいにある数字です。
1と2は小ボールジョイント、3が大ボールジョイントで現行対策品です。
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ちなみに、前期と後期の違いはブッシュで硬さが違いで、アーム自体は同じもののようです。

そのロアアームは、前期後期とも先月上旬まで長期欠品との連絡でしたが、今回はちょうどよく出来立てほやほやがやってきました。

さて、新品アームの交換作業時に地味に面倒なこと笑。
それは、アームに貼ってあるラベル剥がし。
よくアームに付いた品番ラベルを剥がさずそのまま取付てある車両を見ますが、リフトで上げて下回り見たときに非常にカッコ悪いので、うちでは取付前にすべてきれいに剝がします。
(結構手間ですが、美しさ重視です。)
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固着していたタイロッドナットも強力に固着しており、いつもなら潤滑剤吹き付けて時間を置いおけば動きますが、バーナーで炙りまくっても全然動かず。
それでも何回も繰り返してやっとナットが回った時には、シャフトの六角部もネジ山も傷んでしまったので、新品交換しました。
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これでようやく本来の作業であるアライメント調整できるところまでたどり着き、おかげでしっかりアライメント調整できました。

今日は、RX-8のクラッチ交換。

RX-8あるあるですが、ノーマルクラッチでクラッチペダルを踏むと重い場合は、こんな感じでディスクが減ってることがほとんどです。
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今回もギリギリな感じでした。

この状態まで減ると、クラッチカバーのダイヤフラムスプリングが上がってきてしまいますので、カバー圧着力も下がっちゃいますね。

ミッション側のクラッチレリーズカラー(ベアリング)や、レリーズフォーク、ピボットピンもディスクのカスだらけ・摩耗しまくりなので、すべて交換です。
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交換後は、クラッチペダルが非常に軽くなり、ミートポイントも変わるので、
大体の場合、お客さんは納車時の発進でエンストします。笑



さて、今回のようにクラッチが減っていたり、社外クラッチで圧着力が上がったりで、純正クラッチ新品時よりクラッチペダルの踏力が大きくなるようなシチュエーションでは、
経験上、クラッチペダルが壊れやすくなったり、クラッチマスターからフルードが漏れやすくなったりします。

クラッチペダルを軽い状態にしておけば、特にクラッチペダルが壊れる確率はかなり低くできると思いますので、社外クラッチにする場合は、純正踏力同等もしくはそれ以下になるクラッチキットをチョイスするといいと思います。

あとクラッチペダルをまっすぐ踏めてない場合もクラッチペダルを壊しやすくなりますね。
これも結構多いです。
これはシート位置に対してペダル全体が右側に寄っているので、ある程度斜めに踏んでしまうのは仕方ないところではありますがね。
クラッチペダルの左端に擦れている跡がある場合は、気を付けてください。

リアルテック・RX-8用REAL-SPECエキマニ(通称・美しすぎるエキマニ)ですが、昨年秋ごろを最後に欠品しております。
次ロットの納期も未定状態です。
というか、次ロットを作る段取りをしてませんでした。

というのも、そもそも今までも少数受注生産に近い状態ではありましたが、ここ1年くらい問い合わせも新規オーダーもまったくなく苦笑、うちの常連さんにも行き渡った感じもありました。
RX-8も発売から20年経ち、すでに社外エキマニついている車両も多いですからね。
そもそも大きな数を見込める商品ではないし、買い替え需要も少ないと思います。
このエキマニ自体、価格が高いってのもありますよね。

そんななんで、製作するにもかなりのコストが結構かかるし、
作ってずっと在庫するのもうちみたいなショップではしんどいので、
もう新規で作るのやめようかな~なんて考えていたところ、
なぜかここ10日くらいにドドドと複数オーダーが入ってきたので、
少数ですが現在オーダー分+アルファくらいの数を製作しようと思います。
(このような状況なのに、オーダーくださる方はみなさん『出来るまでいつまでも待ちます』って言ってくれてありがたい限りです。)

その次の生産は未定ですので、本気で欲しいという方はお早めにお問い合わせ・オーダーください。
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本日は急遽呼び出しで、朝から筑波サーキットでタイヤホカホカサービスでした。
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今シーズンはずっと白後期のサポートでしたので、こちらのエイトをサポートするのは今シーズン初。

気温は0度付近、気圧は1026hpaと高気圧、
さらに前日は4輪のライセンス走行(フォーミュラあり)と絶好のコンディションで、今シーズン最大の分切りチャンス!
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気になる結果は…、
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分切りとRX-8レコードタイム達成!
ようやく切った!
しかも2周連続で59秒6です。

分切りチャレンジ2シーズン目にして、RX-8・13BレネシスNAエンジンで悲願達成!
タイヤは、A050 295/35R18

今日の作戦的には、1走目中古タイヤを使って、ドライバーの慣熟と準備運動に、車の熱入れ、
2走目新品タイヤを投入して本気アタックの予定でしたが、
1走目の1周目で分切り達成。
2周目ダメ押しレコード更新でした。

そして、1走目直後の走行枠でコース上にクーラントがまかれてしまったため、
無理せず2走目は取りやめ・タイヤ温存となりました。


いやぁ、22年12月はセットアップに苦しみ、思ったタイムが出ませんでしたが、
よやくセットもまとまり、先週悪コンディションでのアタックでベスト更新からの、今日の分切り。

ドライバーもサポートメンバーも喜び一入です。

とくにドライバー本人は、365日分切りのことを考えて、お金も時間も人一倍かけていろんなことを実行してストイックにここまでやってきました。

分切りおめでとうございました。

こちらもこれで一安心。
次の目標は58秒なのかな?
終わりがないのがタイムアタック沼笑

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