ロータリーエンジン研究所・REAL-TECHのRE的ブログ

茨城県下妻市にあるロータリーエンジン専門店『REAL-TECH』(リアルテック)のロータリーエンジンに特化したRE的ブログです。 RX-7・RX-8など、マツダ・ロータリーエンジン搭載車のメンテナンスやチューニング、セッティングが本業ですが、代表のハマグチは、『ロータリーエンジン研究家』としても活動しており、ロータリーエンジンの過去・現在・未来について日々研究しており、各媒体にRE関連記事の寄稿もしています。 また、RX-7やRX-8のデモカーを用いてロータリーエンジンの高効率の追求も行っており、REのパフォーマンスを高めるためのパーツ・専用オイルなども製作しています。 このブログでは、日々のリアルテックでの作業や、ロータリーエンジンやRX-7・RX-8などのRE車のウンチクも書いてます。

RTオイルをご検討の方はこちらをお読みください

よく聞かれる おすすめのRTオイル
http://realtech.livedoor.blog/archives/6537489.html

カテゴリ: ロータリー

だいぶブログの間が空いてしまいましたが、筑波分切りエンジンの作業も進んでおります。

今からちょっと前、まだ気温が上がる前の話ですが笑、各部クリアランス調整。
調整時は、調整前日から室温を20℃にしっかりあわせて、測定物・測定器をその温度に馴染ませてから一気に行ないます。

タフブラックコーティングを施した、ローターとステーショナリギアにそれぞれ軸受けメタルを圧入して、エキセンのジャーナル部分とのクリアランス調整。
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ローターメタルは、一発で狙いの数値に入りましたが、ステーショナリギアのメインメタルのリア側が、難儀しました。
ダミーメタルを突っ込んで、基準値を出して、そこから割り出した寸法のメタルを圧入して、測定。

2点測定・3点測定どちらの測定数値を何回見ても・考えても、どうしても3ミクロンほど内径が小さくて気に入らない。
よくある話です。苦笑
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(確認ですが、1ミクロン=0.001mmです。)

1サイズ薄いメタル入れたらOKでしょ!って、せっかく入れた新品メタルを抜き替えて再度測定したら、
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おい、1ミクロンしか変わらないじゃん!(まあ、そんなこともよく有ります)

もったいないけど、もう一回、さらに1サイズ薄いメタルに交換して、測定すると、
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これで完璧!
1個5,000円オーバーのメインメタルを2個パーにしてしまったので、この作業の赤字は決定しましたが、気に入った数字になったのでOK!
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お次は、ローターの幅にあわせて、ローターハウジングを選別。
いい感じの最終3候補から、絶対値とバランスの良い2枚を選出しました。
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フロント用、リア用と選んだら、分からなくならないように、フロントローターハウジングにエンジンマウントブラケット用のスタッドボルトを取り付けます。
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一応マーカーでFとRのように識別マーキングしますが、組み立て前にもう一回洗浄するので、マーキング消えても分かるようしときます。

最後は、ガスシールのクリアランス調整。
ローターにあわせて、アペックスシール、コーナーシール、サイドシールを合わせていきます。
ローターの各シール溝内にもタフブラックコーティングがしっかり乗っかってるんで、溝内の確認して、シール調整も慎重に行ないましたが、コーティング前の下処理をしっかり行なってましたので、調整はスムーズに出来ました。
各シールすべてに溝番号をマーキングして、専用のシールケースに入れて組立まで保管します。
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これでクリアランス調整関係は完了。

毎日ありがたいことに、多くの作業に、オイル通販のご注文、そのほかいろんなお問い合わせを頂いて、まったく暇無しでやっております。
もう毎日時間が過ぎるのが早い!!!

マンパワーがまったく足りてない状態なので、お待ちいただいている皆様にはご迷惑おかけしておりますが、仕上がりきっちり でやってますので、しばらくおまちください。


さて、RX-8筑波分切りアタック用のエンジン製作は、ただ今インターナルパーツをコーティングに出しております。
その間にポート拡大加工をしちゃおうと思っていたんですが、インタメとリアハウジングがずっと欠品中で、作業ストップでした。

今週ようやくBOだったハウジングが届きましたので、不具合がないか検品して、これからようやく加工準備です。

今回は、ポート加工だけでなく、良い子は真似しちゃいけない後戻りできない内緒の加工もしちゃいます。
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サーキットでタイムアタックを頑張っているRX-8は、定期点検してみたら、下廻りがオイルでベチャベチャ。
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この前の入庫時にはなかったので、結構最近漏れ始めた予感です。
定期的に点検しておけば、このように早期発見できます。

さて、オイル漏れ箇所を探るのにオイル汚れを辿っていくと…、
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あった!
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フロントカバーのオイルフィルター後からリアハウジングにオイルを送っているオイルパイプのフランジとのつなぎ目からでした。
一旦洗浄してエンジン始動してみると、ジュワーっとオイルが漏れてきます。

このパイプからオイルが漏れたのは初めてなので、さすがに新品在庫もしているわけもなく、とりあえず作業をストップして、パーツオーダー。
広島に在庫があってよかった。

パイプとガスケットが届いて、早速交換です。
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このパイプ、エンジン補機を組み立てるときに一番最初に付けるパイプ。
ってことは、車上交換では結構奥ってことなので、スロットル、サージタンク、インテークパイプ、オイルパイプなどなど結構バラバラにしないといけません。
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分解中に見えるRX-8後期専用の電磁式メータリングオイルポンプ(緑丸)が超イカしてますね!(死語?笑)

交換とともにオイルで汚れたエンジン周辺、アンダーカバー、サブフレームも洗浄して、
エンジン始動後もオイルが漏れてくることもなく修理完了。

これで安心してサーキットが走れますね。
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RX-8後期も2008年のデビューから13年たち、10万キロオーバーと距離の進んだ車両が増えてきました。
うちがリアルチェックなどで点検した実績からすると、後期ではエンジンオイルの流れる経路からのオイル漏れトラブルが多い印象です。
今回のオイルパイプや、フロントカバーのブラインドプラグ、オイルクーラーホースなど、エンジン内から出てエンジン内に戻るまでの外部経路で、どれもカシメ部分が多いです。

これからみんな距離が進めば、オイル漏れする車両は増えてくることでしょうね。


漏れてしまう原因としては、後期のパーツ構成の違いだったり、パーツの劣化とか個体差もあるかもしれませんが、リアルテック的考察では、RX-8前期やRX-7・FD3Sよりも、RX-8後期はそもそもの油圧が高いからかなって思います。
RX-8後期は、レーシングREのようにピーク値で1Mpa(10.2kg/c㎡)くらい掛かりますのでね。(オイル粘度にもよります)
オイルクーラーのところに油圧計を付けて、メーター振り切った人もいることでしょう。

じゃあなんで、前期より油圧設定を上げたのか?って考えると、
電磁メータリングオイルポンプを採用したことか、0w20の低粘度・省燃費オイルを純正指定オイルに入れたからかなと考えてます。

まあ、油圧が高いこと自体は悪いことではないし、そもそも油圧は簡単に変えられないので、オイルが漏れてきたらその都度対処するしかないですけどね。

結局言いたいのは、定期的に点検しようぜってことです!

RX-8筑波分切り用エンジンは、ベースエンジンの分解・洗浄と、検品測定も出来たので、お次はタフブラック・コーティングを施すための下準備。

タフブラックとは↓
http://realtech.livedoor.blog/archives/2327105.html

1馬力でも稼ぐために出来ることはすべて施します。

ローターはカーボン汚れとメッキを完全に剥がしておかないと、タフブラック・コーティングが出来ません。

まずはガラスビーズのサンドブラストをして、蓄積した硬いカーボンを完全に落としきります。
シール溝、特にサイドシール溝は底や側面にこびり付いたカーボンを落としづらいので、入念に何度も確認しながらブラストしていきます。
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※通常のエンジンOH時には、ローターにサンドブラストは絶対に行ないません。
表面やシール溝内に施されてい表面メッキは剥がしてしまうとアウトなので、洗浄やカーボン落とし作業には気を使って、表面を傷めないように行ないます。
そんなローターに容赦なくサンドブラストしてしまうなんて、結構な背徳感のある作業になります笑

カーボンを落としきったら、お次はローターの細部をいつものように面取りや修正をして使える状態に仕上げます。
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レネシスのローターには、FDまでのローターのようなシール溝番号がないので、1~6までの数字の打刻もします。
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これで、タフブラックコーティングに出す前の下準備は完了。
完全にメッキを剥がす作業は先方様にやっていただきます。
ローター以外にも、ステーショナリギアヤオイルポンプ、ギア・スプロケットにもタフブラックコーティングを施します。

今回は、最強のRE専用エンジンオイルRT-01を入れたくなるブログです笑


うちで車検ごとにエンジンコンプレションを測定しているサーキットユースRX-8の測定結果3回の遍歴をご覧ください。
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18年末の車検の時に、それまでのRT-01から他社メーカーのエンジンオイルに浮気していて、エンジンコンプレッションを測定したところそれまでの数値(上段)から大きく数値が低下していました(中段)。

それからRT-01に戻し、2年経った今回、再度測定したところ以前RT-01使用時で一番コンプレッションが高かった時くらいまで戻りました。(下段)
数値を見ると、リア側は今回が今までで一番上がっているので、前後差が減ってバランスがよくなってます。
(元々前後差が多少大きめですが、これは当時OH時にご予算の都合でフロントはまあまあ程度の良い中古に交換、リアはちょっと程度の良くない状態のローターを再使用したため、リアの当たりが付くのに時間が掛かった感じです。)


どうですか!このRT-01の威力。これだけはっきり数値に出るオイルです!

18年の車検から今回までにやったことは、RT-01とプラグの交換くらい。
それだけしてサーキットを好きなだけ走ってこの状態です!

よく、『RT-01を使ってコンプレッションが上がったあとに、他のオイルに交換してもコンプレッションキープしますか?』という質問をいただきますが、
この例を見てはっきり分かるように、他のオイルに交換したらせっかく上がったコンプレッションは下がります。

あと、サーキットで使うとエンジンが磨耗するから~といわれますが、これもコンプレッション数値をみて分かるように、RTオイルを入れておけば、そんなことも極小です。
安心してサーキットを走ってもらえますよ。

REをより良く・大切に・良い状態でキープしたいなら、エンジンオイルはRTオイル一択です!

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