ロータリーエンジン研究所・REAL-TECHのRE的ブログ

茨城県下妻市にあるロータリーエンジン専門店『REAL-TECH』(リアルテック)のロータリーエンジンに特化したRE的ブログです。 RX-7・RX-8など、マツダ・ロータリーエンジン搭載車のメンテナンスやチューニング、セッティングが本業ですが、代表のハマグチは、『ロータリーエンジン研究家』としても活動しており、ロータリーエンジンの過去・現在・未来について日々研究しており、各媒体にRE関連記事の寄稿もしています。 また、RX-7やRX-8のデモカーを用いてロータリーエンジンの高効率の追求も行っており、REのパフォーマンスを高めるためのパーツ・専用オイルなども製作しています。 このブログでは、日々のリアルテックでの作業や、ロータリーエンジンやRX-7・RX-8などのRE車のウンチクも書いてます。

RTオイルをご検討の方はこちらをお読みください

よく聞かれる おすすめのRTオイル
http://realtech.livedoor.blog/archives/6537489.html

エンジンオイル交換時のオイル使用量
http://realtech.livedoor.blog/archives/16377797.html

カテゴリ: ロータリーエンジン

昔々から、RE乗りたちに言い伝えられていること。

『ロータリーエンジンのプラグ交換は自分でやるべし。』

現役や元RE乗りの人から言われたことある人、多いんじゃないでしょうか。

しかし、ユーザー自身でスパークプラグを交換している車両を点検やら圧縮圧力測定を行う際にスパークプラグを外すときによくあること。

全然締めつけがゆるい。(締まってない)
もしくは、
固く締めすぎててまったく緩まない。

ってこと。

その画像で並べてみました。
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赤丸がガスケットです。

左から新品、
締め付け不足(ガスケット全くつぶれてない)、
リアルテックのおすすめ、
メーカー規定トルク 

締めすぎのプラグがなかったんですが、その場合は画像右の規定トルクよりさらに半分くらいの薄さまでガスケットがペッタペタに潰れきっている場合があります。

メーカーHPには規定トルクのほか、プラグは手で回して止まったところから何回転回して締めてねって書いてありますが、
回転締めの場合、新品エンジンならいいですが何万キロも距離の進んだエンジンでは、プラグホールのネジ山もきれいではなかったりで、プラグを手でするする回してガスケットが当たるところまでいかなかったりします。

締めすぎは、外すときにプラグレンチががちゃんとしたものでないと、プラグが折れることもあります。
交換時なら古いプラグをぶっ壊してもいいんですが、そのセラミックのかけらが何らかの拍子にプラグホールの中、すなわちエンジンの中に入ったら一大事。

締め付け不足でよくあるのはプラグホールの周りからオイルがダラ~と垂れていること。
若干ガス抜けもしちゃっているかもしれませんね。
この場合、ネジ山が汚れて次にプラグをネジ入れると固くて手で入れきれなかったりします。

本来はトルクレンチできちんと締め付けるのがいいのでしょうが、あのREの狭いスペースでトルクレンチを入れて締めるのも大変です。

手締めでちょうどいいのは、感覚で言うと新品ガスケットが座に当たってからヌルヌルとガスケットがつぶれていく感触が止まった(終わったところ)からほんのちょっと締めたところがちょうどよく、規定トルクよりも若干弱めが経験上REでは良い感じ。

REはエンジン振動が少ないので、レシプロよりも弱めでも緩みづらいし、緩みからくるプラグ端子折れも起きづらいので、脱着の多めなREではこのくらいがおすすめです。

ヌルっとガスケットのつぶれる感触は口や文章では表現しづらいですし、工具の大きさでも感覚が変わります。
かと言って、あの狭いエンジンルームで締め付けられるような小さいサイズのトルクレンチを用意するのもDIYな人は大変でしょう。

ここら辺は経験値なので何回も意識してこなすことしかないですが、心配なら自分で行わず、プロに任せましょう。
プラグコードの挿し込みがちゃんとできてないケースも非常によくあります。

点火はREの命です。
そのあたりをよく理解した上で判断してくださいね。

ちょっと前になりますが、GW明けに広島まで行ってきました。
そして、マツダ本社に伺いまして、新型ロータリーエンジン・8C型について開発者の方々にお話を伺ってきました。
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この取材を基に8Cの燃焼進化について寄稿した記事が、5月31日発売のマツダファンブックに掲載されます。

誌面では、オートモビルカウンシルにあった8C型展示モデルでは見れなかった部分の秘蔵?写真もありますし、このページデザインしたのがRX-7マガジン元編集長だった兄貴なので、ロータリー好きにはたまらないページ構成になってると思います。

マツダファンブック vol.023、ぜひ購入してご覧ください。

おかげさまで8Cについて詳しくなりましたし、さらに新型を知ることで13B-MSPレネシスについても理解が深まったこともありました。

詳しく説明してくださったマツダのロータリーの神様のおふたり清水さん・横尾さん、
この取材をセッティングしてくださったマツダ広報の皆様、
そしてこの貴重な機会に誘ってくれたMZレーシング三浦さん、
皆様ありがとうございました。

先週4月14日金曜日にオートモビルカウンシルに行ってきました。

お目当てはもちろん、日本初公開のMX-30 e-SKYACTIV R-EV(欧州仕様)に搭載される、
1ローター8C型・新型ロータリーエンジンです!
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今回のマツダブースのテーマは、『ロータリーエンジンの可能性の追求と新しい価値への挑戦』ということで、2017年のRE50周年以来、久しぶりのロータリーエンジンがメイン展示でした。

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ロータリーの挑戦は続く
胸に響きますね。心から応援してます。

20年ぶりの市販新型ロータリーエンジンが公開される貴重な場ですので、朝10時のプレスカンファレンスから終了時間の18時まで、ほぼずっとマツダブースに居てしまいました。
自分なりにプレスの方々やお客さんの撮影や見学の邪魔にならないように頑張ったつもりではありますが、結果長時間居座って、マツダの皆様にお話をあれこれ伺ってしまい、大変ご迷惑おかけしたかと思いますが、お相手いただきありがとうございました。

とくに、この8C型REの開発トップで入社からロータリー開発一筋の清水律治さんには、かなり長い間お話を聞かせていただきました。
8Cのことだけでなく、787BのR26BやRX-8の13B-MSPレネシスのことなども聞けました。
通常ではこんなに長い時間お話しできませんので、大変勉強になりました。
貴重な時間を本当にありがとうございました。

この8C型ロータリーエンジンのことはwebメディアにも多く取り上げられていると思いますが、そこでは語られていない実機をみて分かる範囲で自分なりの8C解説をブログに上げていきたいと思います。

久しぶりのブログ更新になります。汗
9月も一瞬で過ぎ去りまして、気がついたらもう10月。

作業がいっぱいでたくさんの方に作業をお持ちいただいております。
予約いただいたみなさんの作業は、漏らさず・忘れずしっかり入っております。
順番にやっておりますので、すみませんがもうしばらくお待ちください。


さて、9月は週末に当日メンテ作業、平日はお預かり車の作業で、車検も多かったですが、それ以外はずっとエンジン作業を進めてました。

1型FDの方は現在部品待ちで作業がストップしてしまったので、RX-8サイドポートエンジンの方を一気に進めて、9月中にエンジン始動完了!

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このローターハウジングの中からローターの幅に合うハウジングをチョイス。

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オーバーヒートしてたので、全てのハウジングを新品使用。
現在サイドハウジングは長期欠品中なので、失敗できない…

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ポート加工前に全ハウジングとインマニを仮組みして罫書きます。


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今回も失敗せずにサイドポート拡大加工出来ました。

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ローターメタルクリアランス調整に、
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メインメタルのクリアランス調整。
2点測定・3点測定ともに気に入った数値になるようにあわせるのには結構な労力と根気が必要です笑

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今回から初導入の、定圧測定デジタルマイクロメーター!
コーナーシール外径測定にのみ使用するのにはかなり高額な測定器でしたが、これもこだわりなので笑
一定に安定して素早く測れる様になりました。最高!

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調整したガスシール(アペックスシール・コーナーシール・サイドシール)は全てシール溝位置をマーキングして専用ケースに収納してます。
ちなみに、シールやハウジング、メタルなどのクリアランス調整時は、ずっと室温を20℃にして行っているので、作業中は長袖、インナーにヒートテック着用です。

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シール類・スプリング類は全て新品交換。

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この状態からちゃんとパワーが出ますようにとお祈りしながらリアサイドハウジングを載せます。

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エキセン内に入るサーモペレットは、整備書どおりに点検するとロッドの伸びる長さは基準値以上に伸びるので問題なしの場合が多いです。
がしかし、新品と並べて温めるとロッドの伸びる速さ・レスポンスがぜんぜん違うので、うちでは必ず新品交換します。
こいつの作動で油圧が変わります。

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自分が作ったエンジンの印は、このオレンジマーキング。
20年変わらない印です。

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リアルテックの美しすぎるエキマニも取付。これが在庫ラスト。
次の製作時期は未定です。

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エンジン載せる前にエンジンルーム内を洗浄して、手の入るところはコーティングも掛けました。

ここからアイドリングで初期慣らししながら、オイル漏れ・水漏れなど不具合がでないか確認していきます。

そして、問題なければ、タワーバー取り付け・配線まとめたりなど細かいところの仕上げと車検を通せば完成です。

夏休み中に休み返上でFD前期(1型)とRX-8前期のエンジンを下ろしておりました。

ちょっと間があきましたが、両エンジンとも補機を分解と洗浄。
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先にばらしておいたRX-8の方は超音波洗浄機ですべて洗浄して、
その間にFDの補機をバラシ。

汚れのなかなか落ちないエイトのインマニもあらかじめハードカーボンを溶剤で大雑把に落として、
あとは超音波洗浄でご覧の通りピカピカです。
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超音波洗浄機があると、掛けている間に他の作業が出来るので、非常に便利。

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