前回はローターやエキセンなどパーツが再使用できるか検品測定を行いましたが、
今回は、OH時に交換する古いアペックスシールなどのガスシールや、ローターハウジングの測定。
ローターやステーショナリギア、オイルポンプなどにタフブラックコーティングを施すので、他車の作業に先立って分解した古いガスシールとローターとのクリアランスを測定。
コーティングしたあとでは、古いシールやハウジングとのクリアランスが分からなくなるのでね。
シール溝の中まで丁寧に汚れを落としたローターのシール溝を測定し、アペックスシールやサイドシールを実際についていた位置に装着し、シックネスゲージでクリアランスを確認します。
測定後は、ローターとステーショナリギアの各所をすべて面取りして、コーティング前処理は完了です。
ちなみに、エンジンOH時はそのエンジンがどこがどのように磨耗しているか・汚れてるか、どこが特に酷いのかなど、それまでどのように動いていたかを考察することが大事です。
これをしっかり行うことでそれまでのメンテナンスやオイルなどの選択が使い方にあっていたのか分かりますので、新しいエンジンの使い方やオイル選択の参考に出来ますし、ユーザーさんに的確なアドバイスも出来ます。
もちろん、新しく組み立てるエンジンの製作時にもフィードバックします。
古いエンジン・壊れたエンジンは、多くのことを教えてくれます。
ウチがリビルドエンジンに交換するだけを勧めずに、実機OHにこだわる理由です。
新しいエンジンに載せかえればそれで良しって考えではないです。
その分、作業は二度手間で時間は非常に掛かりますが、これはRE研究家の活動としても重要な工程で、多くのデータを採ることでいろいろなところの傾向やマツダの考え方がわかってきたりします。
データを見てはムフフ♪って一人で言ってます笑