今週はFDでよくあるブーストあがらないトラブルの修理。

先に結果をいうと、16bitFDの定番・チャージコントロールソレノイドのブローでした。


まず、FDのブーストコントロールのおさらい。笑

チャージコントロールバルブとは、プライマリーとセカンダリーがつながるインテークパイプのセカンダリー側にあるアクチュエータです。
ソレノイドはそのバルブの開閉を行います。

プライマリー時はバルブを閉じて、プライマリータービンの過給はインタークーラー側にのみ送られます。
セカンダリー領域になると、バルブを開けて、セカンダリータービンの過給をプライマリーと合わせてインタークーラーに送ります。

そのソレノイドが動かないと、バルブが開きっぱなしになって、プライマリーの過給がセカンダリータービン方向に行ってしまい、プライマリー領域では開いているチャージリリーフバルブ(ブローオフに似ているやつ)からエアクリに戻ってしまいます。

ということで、プライマリー領域は過給漏れ状態になりブーストが掛からず、セカンダリーになるとドッカンと設定ブーストまで掛かります。

純正コンピュータだと、フェールセーフが入りますので、根本的にブーストが掛かりません。
(一旦キーオフにして、再始動すれば、3分くらいは上記の症状で走れる場合がありますが…。)

今回は、パワーFCなのでフェールセーフが無いため、そんな症状に見舞われます。


といっても、今回入庫してもらった時にはまったく症状が出ない正常な状態で、預かってからも走って走っても症状が出ない。
来ると症状が消えるってよくあります。笑

ユーザーさんから伺った症状から推測するとバキュームユニットのソレノイド交換ってことになるんですが、万が一ソレノイドじゃなかったらってことも考えて、きっちり点検から開始します。


サージタンクを外して、ソレノイドたちを見える状態にして、配管のチェックと、ソレノイドの導通チェック。
配管の状態や、ホースのつなぎ間違いもなく、ソレノイドの抵抗値も約39Ωとどれも問題ありません。

でも、症状からはソレノイドなんで交換しましょう、ってはうちでは言いません。笑

バキュームユニットを外して、抵抗値を測りながら工業用ドライヤーで温ます。
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触れないくらいまで。笑

すると、チャージコントロールのソレノイドだけ、どんどん抵抗値が上がっていき、10秒掛からず導通が途切れました。
他6個のソレノイドはOK。

ということで、ソレノイドが原因と特定できました。

推測どおりになりますが、原因を特定しておかないと、実は誤診で直ってなかったってことにもなりかねませんので、そのあたりは手間も時間も掛かってもしっかり行うようにしてます。



修理はユーザーさんと相談の上、今後を見据えてバキュームユニットごと新品交換になりました。
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というのも、症状は出てないけど、温めると抵抗値が安定しないソレノイドが複数個ある場合が多く(今回はセーフでしたが)、壊れているソレノイドを一個だけ替えても、また違うソレノイドも壊れる可能性があるので、ご予算が許せばバキュームユニット新品交換をオススメしております。


そして、一緒にバキュームホースも交換。
バキュームユニット以外のソレノイド(ターボコントロールやパージコントロール)やセンサーも温めてチェック、
ACVも外して、洗浄・点検、チェックバルブの交換もして、全部組み立てて作業完了!

これで、これからも気持ちよく乗っていただけると思います。


ちなみに、以前はリビルドバキュームユニットを作っておりましたが、引取りのコアのソレノイドが複数ダメな場合が多く、現在は作るのを止めています。
3個くらい壊れてると採算が合わないので。苦笑

なので、現状では新品交換もしくは現品分解修理のどちらかになります。