ロータリーエンジンのガスシールは、皆さん良くご存知の通り、
・アペックスシール
・コーナーシール
・サイドシール
によって構成されています。


その中でも、アペックスシールやサイドシールのことは形状やクリアランスなど、色んなところで多く論じられていますが、コーナーシールについては重要性がイマイチなのか、語られることは少ないですね。

しかし!
コーナーシールも重要なのです。
同じガスシールですから、エンジン性能にかかわることは同じなのです。


確かに、OHの時に必要なクリアランス数値では、コーナーシールだけ整備書には記述が無く、純正の測定SSTがコーナーシール溝に入りきらなければOKということだけになっています。
そして、そこにコーナーシールが入ればOKになってます。
これね↓
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『市販車のコーナーシールは拡張式だから調整はいらねーよ』とおっしゃる方もいらっしゃいますがね。
拡張するからイニシャルのクリアランスはちゃんと調整しないとね。


そこでリアルテックでは、コーナーシール溝の測定には、2点間の距離を測定する『キャリパーゲージ』と内径測定の『ホールテスト』を使用します。
日本が誇るミツトヨ製。しかも、デジタル。
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デジタルなんでアナログタイプに比べて、メチャメチャ高いんです、これ。
でもね、マイクロゲージにしても何にしてもデジタル使うと、アナログでやってたことがなんだったのと思っちゃうぐらいに、すばやく正確にいっぱい測れます。
と言うことは精度がたまらなく向上するってことですよ♪

なのでウチではすべてデジタルゲージを使ってます。


この2つのデジタルゲージを使って、コーナーシール溝を正確に測定し、それにあった径のコーナーシールを選びます。

それも2ローターなら、12箇所あるコーナーシールクリアランスを1/1000mm単位できっちりとあわせます。
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でも、この調整が大変なんですよね。
とにかく手が疲れます。笑
サイドシールのクリアランス調整の方が楽です。


ちゃんとあわせたいので、コーナーシールはいつも在庫がいっぱい…。
それも時期を分けて何十個かオーダーしてます。
(といってもサイドシールも在庫いっぱいですがね。)

詳しい調整方法は、ノウハウってやつということで内緒にしておきます。笑


ロータリーエンジンは、巷で言われているほど組むのは簡単じゃないってことです。