ロータリーエンジン研究所・REAL-TECHのRE的ブログ

茨城県下妻市にあるロータリーエンジン専門店『REAL-TECH』(リアルテック)のロータリーエンジンに特化したRE的ブログです。 RX-7・RX-8など、マツダ・ロータリーエンジン搭載車のメンテナンスやチューニング、セッティングが本業ですが、代表のハマグチは、『ロータリーエンジン研究家』としても活動しており、ロータリーエンジンの過去・現在・未来について日々研究しており、各媒体にRE関連記事の寄稿もしています。 また、RX-7やRX-8のデモカーを用いてロータリーエンジンの高効率の追求も行っており、REのパフォーマンスを高めるためのパーツ・専用オイルなども製作しています。 このブログでは、日々のリアルテックでの作業や、ロータリーエンジンやRX-7・RX-8などのRE車のウンチクも書いてます。

RTオイルをご検討の方はこちらをお読みください

よく聞かれる おすすめのRTオイル
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エンジンオイル交換時のオイル使用量
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2019年12月

今日もマニアネタ。
今回は、RX-7(FD3S)最後の限定車、スピリットR について。

rxs02_007s
(画像:マツダ㈱より)


先日あるところでスピリットRの話しをしててちょっと気になってしまい、当時の生産状況を調べてみました。
せっかく調べたんでちょっと書いてみようかと。

スピリットRの意外な事実もありましたが、詳しく書きすぎると物議を醸す可能性があるのでそこは省きます。笑


FD3S・スピリットRは、1500台限定で販売され、2002年4月9日から2002年8月26日まで生産されました。
最終日にはFD3Sラインオフセレモニーがファンを招いて行われたのは有名ですね。
その1台1台に専用のシリアル入りプレートが貼り付けられていました。

スピリットR内のグレードは3種類、タイプAが2シーター、タイプBが4シーター革シート、タイプCが4シーターのAT でした。

ここからは、RE研究家ハマグチ独自調べです。

・3グレードの比率は、
タイプA:69.4%、
タイプB:28.0%、
タイプC:2.6%

→スピリットRの約7割が2シーターのタイプAです。やっぱり人気ですね。
そのかわり、ATのタイプCが圧倒的に少ない。ほとんど見ないのはほとんど生産されてないからですね。

・カラー比率は、各グレードそれぞれでほとんど変わらずなので、3グレードトータルでのカラー比率は、
20P イノセントブルーマイカ 14.5%
25G チタニウムグレーマイカ 48%
A3D ピュアホワイト 21%
A3F ブリリアントブラック 11.5%
NU ヴィンテージレッド 5%
 
→スピリットRの半数がイメージカラーのチタニウムグレーでした。やっぱりカッコイイもんね。
5型で爆発ヒットしたカラーのイノセントブルーマイカより、ピュアホワイトの方が1.5倍くらい多いのは意外。
6型登場時のカタログでトップを飾っていたヴィンテージレッドが圧倒的に少ないのも意外ですが、確かに赤のスピリットR見ないですよね~。

その数字上レアな、スピリットRタイプC・ヴィンテージレッドは、なんと生産1台のみ。

その『スピリットRタイプC・ヴィンテージレッド』をお持ちのそこのあなた!
そのスピリットRは世界で正真正銘1台のみです。

是非リアルテックまでご連絡ください。笑
(生存しているといいなあ~)

あと車体番号とシリアル番号の整合性を調べているので、スピリットRお乗りの方、宜しければあなたの車体番号とシリアル番号をこっそり教えていただけると嬉しいです!

寒くなってきて、サーキットシーズンを迎え、RX-8のコンピュータセッティングのご依頼が多くなっております。

リアルテックコンピュータセッティングシリーズ・REAL-izeは、現車セッティングして車両の性能をフルに発揮させる MASTER を筆頭に、ラジエータファンの変更のみ(COOL)、スピードリミッターの解除(SPEED)、COOL+SPEED+レブリミット変更(ENTRY)があります。

COOL、SPEED、ENTRYの場合は、遠方からの通販も可能です。

電動ファンだけやりたいとか、富士スピードウェイや鈴鹿サーキットで走るからスピードリミッターだけ解除したい、とか部分的に書き換えたいというユーザーさんって結構いらっしゃいまして、人気です。


コンピュータチューニングの際、うちが注意して書換え作業をしているポイントが有ります。

それは…、 コンピュータに入っているデータを信用しないこと! です。


コンピュータ単体で送られてきますので、こちらで車両を確認できませんし、車両のチューニング経歴が厳密にわからないので、ユーザーさんから聞いた車両データだけでデータを作って書換えを行うといことはせず、先に一旦コンピュータの箱を開けて基盤を確認します。

ご来店書換えの場合は、車体など確認できるところがあるので箱を開けるまではしないことが多いですが、車両によっては一旦コンピュータを外して確認します。
これは前期のみ。後期はケースがシーリングされているのでぶっ壊さないと開けられません。まあ、後期はコンピュータ・ICの種類が少ないので開けなくても大丈夫です。


ここからが重要です。
以下、マニアネタスタート!笑

まず、コンピュータの箱のシールの書いてある品番を確認。
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大きな文字N3H3は、N3は13B用、H3は車両グレードを表しています。
ちなみに、N3H3は、ハイパワー・6MT・イモビ有りです。
小さい文字、品番末尾のアルファベット(画像はT)では、データの年式がわかります。

そして、書換え機を繋いで、現状コンピュータに入っているデータラベルを確認します。


そして、コンピュータのフタをあけ、基盤登場。
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これがデータの入っているICですが、前期では2種類有ります。それぞれでプロトコルが違うので、データを共通で使うことが出来ません。

ただ、見た目がまったく一緒なんで見ただけだと分かりません。


なので、基盤のここを見ます。
20191126_095431

ここが、『02M』と『04M』があって、それで使われているICを見分けることが出来ます。


超大雑把に切り分けると、LA型とABA型でICタイプが分かれます。大雑把なところなので、グレードによってはそうじゃない場合が有ります。
もうちょっと確実な見分けかたは、箱の蓋のビスのメッキの色が、黄色は02M、白が04Mって感じです笑

だけどそれも絶対でないので、こうやって開けて基盤で確認するわけです。

そして、最初に繋いで確認したデータラベルと、ICのプロトコルが合っているか、さらに車両グレードと合っているか確認して、初めてインストールするデータを決められます。

何でここまでやるかっていうと、実は社外のデータ書換え機によっては、プロトコルが違っててもデータが入っちゃうので、以前にどこかで書き換え作業をしている場合、書き込まれているデータがICに合っていないデータだったってことがまあまああるんです。


じゃあ、間違えて動かないかと言われれば普通に動いちゃうんですが、間違ったデータで何が起こるかわかりませんので怖くて出荷できませんからね。

今後、もしもリコールやサービスキャンペーンがあったときに、ディーラーさんが正しく対応が出来なくなることもあるかもしれません。

なので、念には念を入れてやっております。

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