ロータリーエンジン研究所・REAL-TECHのRE的ブログ

茨城県下妻市にあるロータリーエンジン専門店『REAL-TECH』(リアルテック)のロータリーエンジンに特化したRE的ブログです。 RX-7・RX-8など、マツダ・ロータリーエンジン搭載車のメンテナンスやチューニング、セッティングが本業ですが、代表のハマグチは、『ロータリーエンジン研究家』としても活動しており、ロータリーエンジンの過去・現在・未来について日々研究しており、各媒体にRE関連記事の寄稿もしています。 また、RX-7やRX-8のデモカーを用いてロータリーエンジンの高効率の追求も行っており、REのパフォーマンスを高めるためのパーツ・専用オイルなども製作しています。 このブログでは、日々のリアルテックでの作業や、ロータリーエンジンやRX-7・RX-8などのRE車のウンチクも書いてます。

RTオイルをご検討の方はこちらをお読みください

よく聞かれる おすすめのRTオイル
http://realtech.livedoor.blog/archives/6537489.html

エンジンオイル交換時のオイル使用量
http://realtech.livedoor.blog/archives/16377797.html

2023年9月14日、
待望の新型ロータリーエンジン8C搭載の日本国内仕様【MAZDA MX-30 Rotary-EV】が発表されました。
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先行して発表・予約が始まっていた欧州仕様【MX-30 e-SKYACTIV R-EV】から、今回発表された日本国内仕様は車名を変更してきました。

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日本仕様の場合、【e-SKYACTIV R-EV】はパワーユニットの名称になります。

午前11時から行われた、MX-30 Rotary-EVオンライン発表会にも参加しました。
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質疑応答では聞いてみたいことがありましたが手を挙げる勇気もなく終了..苦笑

そして午後には…、
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有言実行!

いつもRTオイルを販売していただいている関東マツダさんの本社にある板橋本店さんで、
MX-30 Rotary-EVのトップグレードで特別仕様車、【Edition R】を注文させていただきました。
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ちなみに、Edition Rは、日本・欧州合計で月産200台とのこと。

RX-8 Type RS購入から11年半ぶりにロータリーエンジン搭載の新車!
お聞きしたところ、関東マツダ内でEdition Rの注文第一号らしいです笑
発売開始は11月末ごろ、納車は年内、遅くとも1月って感じだそう。
今から楽しみです♪
ちなみに、EVは全く運転したことがない笑


さて、実は発表に先立って、先月末に広島で行われたMX-30 Rotary-EVの取材・RE工場見学会に行っておりました。
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念願のRE工場見学でした。
REが生まれてくるところを見れて大感激!

興奮のあまり普通じゃない質問しすぎて、マツダの皆さんに、なんだこいつと思われたに違いない。
ご対応いただきましたマツダの皆様、誠にありがとうございました。

MX-30 Rotary-EV、新型ロータリーエンジン8C、工場見学の話は追々しようと思います。
それらに関する原稿も寄稿します。

本日は、8月8日。エイトの日ですね。
エイトの日にちなんで?、リアルテックではずっとRX-8の作業でした。

先週組み立てたRX-8のサイドポート拡大エンジンもエンジンルームに収まり、無事エンジン始動。
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各所丁寧に作業しましたので、拍子抜けするほどあっさりエンジンがかかり、各所漏れもなく、非常に安定しております。

さらにうちではエンジン始動後のここからの仕上げと点検にきっちり時間を掛けます。
やはり多くを作り替えた時は、より慎重になります。


また、今回一緒に足廻りのセッティングも行いました。

ダンパーはRX-8最速ダンパーである、リアルテック REAL-SPECダンパー!
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シリンダー、ピストン、シャフト、マウントなどなどすべてに拘り過ぎて非常に高額ですが苦笑、その分性能も素晴らしいです。

今回はハイグリップラジアル想定なので、それに合わせたスプリングレートをチョイスして、そのスプリングと車高に合わせたダンパー寸法で製作。
ハイレートでいかにストローク長を長く確保できるかがRX-8の脚の重要ポイントです。

さらに、RX-8足回りセッティングのお約束、フロントロアアームのスーパーナウのハイキャンバー・ハイキャスターピロブッシュも装着。
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これで欲しいキャンバーキャスターに調整可能です。

今回、スーパーナウ新作のRX-8ブッシュ交換治具を使ってアームのブッシュを抜きましたが、今までが何だったのかってくらい簡単に抜けます。この治具、素晴らしい。
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その後アライメント調整もして、走行チェック。良い感じに完成です。

さて、明日9日から16日まで夏休みをいただきます。
通販も休止になりますので、ご了承ください。


これ、オイルフィルターカッターという工具。
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一般的にはフィルターケースをカットして、中のエレメントとケースを分別して廃棄するために使用するものだと思います。

リアルテックでは初見のメーカーのオイルフィルターは、実際に割ってフィルターエレメントを取り出し、フィルター形状など構造を観察するのに使ってました。

そして、ちょっと前からはリアルテックでオイル交換してもらっているお客さんそれぞれのエンジンの汚れの具合、要は鉄粉などの不純物の出方をちゃんと確認するためと、それらの汚れ方の傾向のデータが欲しいので、オイル交換時に外したオイルフィルターは、その場でフィルターカッターで割って中の状況・汚れ具合を確認しています。

カッターで割るとこんな感じです。
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数多くを割ってみると面白いもので、色々なことが分かります。

基本、全く問題のなく使われているエンジンでは、目視でわかるほどの大きさのカス・鉄粉は出てきません。
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ですが、慢性的にオイルを減らしすぎてオイルレベル警告ランプをちょくちょく点灯させていたり、サーキット走行等ハードな走行をする際にオイルレベルを低くして使っていたりしているエンジンは、まあまあ大き目な鉄粉が出てきます。

これは、ブローレベルでかなりひどい状態。
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ロータリーの場合、この大きなカスの大半はエキセントリックシャフト軸受のベアリング(ステーショナリギアメタル・ローターメタル)が流れている(剝がれてる)と思ってもらっていいと思います。

オイルの性能の以前に、これはオイルが少なかったり適正なオイル量を確保できてなくて、油圧が落ちて軸受部にオイルが足りてません。

ランプが点灯するかしないかの状態で、オイルレベルゲージで量を確認すると、こんなに低いんですよ。
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MINレベルよりはるか下です。


エンジンの圧縮圧力が良好でも、この軸受をダメにしたらエンジン全損ですので、街乗りでもサーキットでもオイルの量はできるだけ少ない状態で走るのは避けましょう。

全損なステーショナリギアのメインメタルがこちら。↓
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この状態までくると、アイドリングで油圧ゼロまで落ち、3000回転回しても200kpaまでも上がりませんでした。

例えうちの最強オイル・RT-01をもってしても、油圧がゼロまで落ちてしまっては、軸受を守ることはできません。

※ここから大事なこと※

・オイル警告灯が点灯してから補充すればなんてことは思ってはいけない、
・オイルレベルゲージのMINレベルより下には絶対にしない、
・レベルゲージMINからMAXの間で、最低でもMINから1/3以上は入れておく、
・もしオイルランプが点いてしまうくらい減ったら、銘柄・グレードなんて気にせず直ちにエンジンオイルを補充する、
・サーキット走行時などハードな走行をする場合は、スタート時はオイル量はできるだけ多く入れる、
・全開走行続けるとオイルはまあまあ減るので、走行インターバルなどでゲージ半分を下回らないように補充をする、

などがエンジンを守るために大事だと思います。


例えば、RX-8前期の中盤までの車両で、オイルフィラーパイプからインテークに直接ブローバイホースがつながっている場合は、オイルいっぱい入れてサーキットを走るとオイルが噴き戻してエアフロが汚れエンジンが吹けなくなるという場合があり、それを鑑みてオイルレベルを低めで使っているって人がいると思います。
そんな場合は、純正対策品のベンチレーションキットをつけてください。
オイルをゲージMAXまで入れても噴き返しは起きなくなります。
冬場にエンジンオイルが乳化してレベルゲージにどのくらいオイルが付いているかわからない場合も同様です。
ベンチレーションで乳化ゼロに出来ます。
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ノーマルなFD3Sだと、MAXまで入れると横Gでオイルを噴いてしまう場合は、ゲージ半分よりちょっと上のところくらいでスタートすればさほど噴き返さないと思いますし、一日走る場合は、減りすぎないようにチョコチョコオイル量を点検・補充しましょう。
FDはもしオイルを多少噴き返してもエアフロないしインテーク内にオイルが溜まるだけなので、エンジンを壊すよりは良いと思います。

FD3S・4型までの純正油圧計はあてになりませんし苦笑、
RX-8前期の純正油圧計も実際に油圧がゼロになってもすぐには針が落ちませんので、
うち的にはハードめに走るなら油圧計を付けて欲しいなと思います。

エンジンオイルは、オイルの質にこだわるのも大事ですが、油量を減らしすぎず油圧を保つこともすごく重要です!

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